ひかるまきもの

愛してるよりも愛が届くまで待ってて!

READING HIGH noir ヒプナゴギア2024

ヒプナゴギア最高最高最高〜〜〜!!!!!!

久しぶりの観劇なこともあってすんごい楽しかった。頭使ったし心鷲掴みにされて、気持ちいい疲労感が嬉しい。

 

藤沢作品の大好きなところがあって。

物語の中でポイントとなる台詞がいくつかあって、1幕と2幕の点が線で繋がっていって1本の道筋になる。

糸が布になっていくように、立体的に物語が織り成されているのを体感するのが好き。

2回目3回目の観劇で、こことここ繋がってるじゃーん!って脚本の中を反復横跳びしてる気持ちになりません?

 

そしてポイントの台詞がよく響くように作られているところ。

文翁さんっておまじないワード入れるの好きですよね!!良くも悪くもそのおまじないが、幕が下りたあともじんわりと心の中に残って忘れられない記憶になっていくのが好き。

スプーンの盾は再会のおまじない「またいつか、どこかの食卓で。」(早くキャスケください)

ヒプナゴギアは再会の呪い「いってきます」有澤ピアニストのラストの言い方があまりにも良すぎて耳に残ってる。いってきますって、待ってくれてる人がいるから言える言葉であり帰ってくるよという約束でもあると思っていて。これせっかく医者牧島が頑張ったけどまたこの2人出会ってしまいそうですよね。現実の死の先で…………あ〜あ。

「好運を祈る」これは最凶の呪いでしたね。まじないと書いて呪い。かっこよすぎるよ〜!医者牧島が覚悟をして女にこの言葉をかけるシーンすごく良かった。しかも呪いの代償として彼はきっと後悔し続けるのだろうな…という……

 

 

逆に藤沢作品の唯一の良くないところ(!?)

泣いてメイクが崩れる所。しゃーないのでアイメイク薄めにするし頑張って堪えてみる。

でも感情移入して高まる演出で泣いてスッキリできちゃうので観るサウナだと思ってます。ととのう。

 

本当に毎回毎回オタクこれ好きやろ!をドンピシャでご提供いただき大変恐縮です…と言った感じ。パンフの医者設定盛り盛りセットすぎて5回読み返した。好きすぎるが!?!?

 

 

なんかあとは思い出した順に箇条書きします。

 

やっぱり生演奏良かったですねえ〜!!

スタインウェイの音めちゃ綺麗でした。普通にピアノチェロコンサート来たくらいの充実度で、本当にいいんでしょうか………

聞き惚れる時間がたっぷり設けられていて嬉しい。

白井さんって腕4本生えてるんかなって思うくらい2台使いこなしてて、かつ感情の籠った演奏。スゴすぎ。

かなしいっていうのは…の所の劇伴、メロディーに村中節効きまくってて心ぎゅーってなった。村中さんの作る音楽って本当に琴線に触れてくるからずるい。これ以上オタクの心揺らさないでください。

 

初日マチネはまだセリフと演奏ビタ当て気持ちー!ってほどではなかったんだけど、ソワレはジワ…と調和してきてて楽の4公演目が楽しみ。

スプーンの盾の時は特にセリフとの合わせ具合が顕著に現れるシーンが多かったから、演奏との間の取り方がどんどん良くなっていくのが目に見えて楽しかったなー。

 

照明!阿部さん!!天才秀才神照明!!

手数が多いし、美術との組み合わせが秀逸!!

中央の楽譜の内部の光とか、木漏れ日やステンドグラスみたいな光とか、麦畑とかまさに“全刻全景見目麗しく”でした。

光だから視覚で受け取ってるんだけど、温度や音や匂いがあるように錯覚するほどリアルに感じられるんですよね。(オタクがたくましい想像力で勝手にもりあがってるだけではある)

 

あのビロードっぽい布のテクスチャと光が重なった時のザラついたグラデーションが超綺麗だったな。

白井さんの足元から照らしてピアニストの右上に演奏の手元が影絵みたいに映るのも素敵だった。

 

あの、2幕の水面の照明がめっっちゃ好きで。

阿部さんの水の表現めちゃくちゃ綺麗で好きなんだけど、あのシーンって降り積もった雪が女の消滅と共に溶けて水になっていく様子なんだなーと感じて。情景作りが美しすぎて脱帽。

夜公演で気付いたけど、1幕ピアニストとの出会いで「そのピアニストが静寂の水面に…」のところともかけてたりする!?水面が始まりであり終わりの空間。

 

水の話でいうと文翁さんが4月のメルマガで、空気中の水が雨となり降りそそぎ人へ渡って涙になる…って話してたじゃないですか。

なんだかそれを思い出して、雪が水になり雨になり女の涙もピアニストの涙も大きな円環の中で混ざってまた出会うんだろうなって。思ったりしちゃったり。

カーテンコール!でも拍手の“雨”だったと思うし。あそことてつもなく良い演出だった。あの蝋燭みたいなライト好き。色味も光り方も心がギュッてなる。

 

舞台美術!カミイケさんという方が手掛けられていたのですが、すんごい好みで客席入った途端ひっくり返りました。

第一印象はベッド。夢の話だし。シーツや毛布のモチーフだろうなーとは思ったけど、話が進むにつれて彫刻や建築物にも見えてきてなんて高度な抽象化なんだろうと思った。

あそこまで全面にセットがあると、もう舞台という作品の額縁のようだったな。オペラカーテンみたいな布なのも良かった。クリエのオペラカーテンが好きなので……

そもそもアレどうやって形にしてるんだろう。

SOMLみたいに舞台解説の回あればいいのに!

またカミイケさんの美術が見てみたいですね。

 

 

よーーーし。そろそろ大好きな男、牧島輝の話しよかな。

 

本当にさ、なんなんですか?天才俳優?

どの役を演じても当て書きかって思わせるってくらい自分自身に落とし込んで作り込んできて、120%の熱演を見せてくれる。

 

牧島くんの朗読劇って朗読を超えた芝居をしてくれるから良いですよね。スプーンの盾で培った経験と方向性が存分に活かされていました。

ずっと正面を向いているんだけど、声を飛ばす先はずーっとピアニストで、意識の先がブレないのが全身から滲み出てるっていうか。

医者>>>>>>> <<ピアニストなんだよね。

 

あとちょっとした目配せや仕草が大好き!!

…寒いな で肩をすくめる所とか、台本をカルテに見立てる所とか、茶化す時の表情や仕草とか。

茶化す時のコミカルな感じめちゃ良かったね。ありまきの関係値出てたよって✋

 

ピアニストの だから弾いてやったんだ!

何を 👈ここからの牧島くんの低い声最っっ高

というか牧島くんの声色の使い分けが上手すぎて聞きやすくて楽しい。

医者とストーリーテラーの切り替えが絶妙だなーと思って。彼らの深みにハマりかけた所で語りになって、こちらも物語を俯瞰で見れるようにリセットさせてくれるというか……

 

あと話を遮って大声を出すようなセリフのとこ、あの確固たる意志を感じる心のある声色が牧島くんだから出せる声だよなーと思う。嬴政の時も思ったけど王適性カンスト人間なのでよく声が通るし、意思が伝わるし、人民に聞き分けさせる声だよあの人。前世、一国の王でしょ?

 

でもそんな声を持っているのにピアニストには全然届かないって言うのがまたもどかしいよね……

ずーっとピアニストのことを見てピアニストのために行動してるのに、ピアニストは全然医者のこと見てないんだもん。スーパーエリートでなんでも出来ちゃうこの俺の言うこと聞いとけば間違いないんだよ!!と思ってる節あって可愛い。そんで最後にはその自信が揺らいで後悔に苛まれてるのが不憫可愛い。

 

あとピアニストが俺ってバカなの?って聞いて“お前”はバカじゃないとか、ピアニスト本人の人格を否定しないところめっちゃ好き。ピアニストのこと大好きじゃんねお前……(まあ茶化してのバカは死ぬほど言ってますが)

 

そんなに大好きで大事にしてきた人間に、自分のエゴで愛する人を殺させたってとんでもない話ですよ本当に。たしかにクソ野郎かもしれないけど私はそのクソ野郎の判断が人間らしくて好き。

でも医者はどんなに足掻いても女にはなれないし、楽譜だって書いてやれないし、あの後ピアニストはどうやって生きていくんですか?

ピアニストの救いよりも、医者自身が親友を喪う恐怖のが優先されてるようで人間って難儀!!

ピアニストがいつか自力で書けるようになるまで支えてやるのかな…でもその前にピアニストが折れそう。あ〜あ おしまいです。

 

眠すぎるのでいったんここまで!

あとは明日のマチソワ見てから追記します😴➰